SPEECH COMPARISON
行政デジタル化の便益と監督をどう両立するか
口座付番・取り残し・個人情報・利益相反を比較
五氏は給付・相続・災害での利便性、障害者就労、デジタル弱者、個人情報保護、民間人材の利益相反をそれぞれ取り上げました。
便利さを広げながら、監視、漏えい、利益相反への歯止めをどう置くか。
VOICES
発言を並べる
各発言の要約と原文抜粋を、同じ会議録から確認します。
宮崎 政久
自由民主党・無所属の会
「私もこの理念には大変共感をしている一人であります。逆に言うと、誰一人取り残されないデジタル化を進めていくためには、最先端のデジタルインフラを整備することはもちろん重要でありますけれども、まずは、既存のアナログサービスで感じていた国民の不便を軽減させたり、これまでの手間や負担が多いがゆえに泣き寝入りになっていた人々が幅広くデジタル化の利益を享受できるような環境を整備していくこと、これも併せて重要であるわけであります。この国民目線でアナログ的な行政サービスの不利益を解消するという観点から見ますと、今回の法案に含まれているマイナンバーと預貯金口座のひもづけというのは大変重要なポイントであります。」
誰も取り残さない行政サービスの観点から、マイナンバーと預貯金口座を災害・相続で利用する範囲と今後の活用を質問した。
足立 康史
日本維新の会・無所属の会
「これは、ちょっと細かい、本当に細かいことで恐縮なんですけれども、就労支援を受けられている利用者の方は生活保護を受けられている方が多いんです。でも、生活保護費というのは、生活保護の対象になっていない低所得の皆様の生活の出費の内容を参照して決められているので、実は、テレワーク、要はWiFi環境とかテザリングとか、そういうもので、ネットでいろいろできるようなことの通信費がカウントされていないんじゃないかと思います。こういうところについても、まず、現状、どうなっているかを御紹介ください。」
給付と負担の公平性を高める口座付番と、障害のある人が在宅で就労支援を受けられるデジタル活用を評価し、実装を求めた。
菅 義偉
自由民主党・無所属の会
「今回の法案は、行政機関の個人情報保護を独立をした個人情報保護委員会に所管させることで、第三者的な立場から行政機関等に対する監督を強化し、そして我が国全体の個人情報保護の水準の向上を図るものだというふうに思っています。また、今回の法案は、あくまでも、個別の法律で定めていた個人情報保護に関する規定を一つの法律に一元化するものであって、個人情報全体を集中管理するものではないことから、デジタル監視法案との御指摘は当たらない、こういうふうに思います。」
自治体システム標準化とデジタル庁の必要性を説明し、個人情報保護委員会の監督強化や民間人材の利益相反対策を答弁した。
後藤 祐一
立憲民主党・無所属
「まず一つは、多くの国民にとって実質的に便利になるデジタル化であること、二つ目は、デジタルが苦手な人が置いていかれない、不利にならない、そういう配慮をすること、あと、三つ目は、個人情報保護、これを徹底すること、四つ目は、セキュリティーをきちっと確保して進めること、五つ目は、国民を監視する手段にしないこと。もう一回言います。多くの国民にとって実質的に便利になること、デジタルが苦手な人が不利にならないこと、個人情報保護を徹底すること、セキュリティーを確保すること、そして国民を監視する手段にしないこと、この五つぐらいがやはりデジタル化を進める上で大事だと思うんです。」
デジタル化の条件として実際の利便性、デジタル弱者への配慮、個人情報・安全性の確保、国民監視に使わないことを確認した。
塩川 鉄也
日本共産党
「人事院所管の官民人事交流法では、民間企業に籍を置いたまま国の機関で働くときは、出身元企業で働くことや給与の補填を禁じております。その理由は、公務の公正性を確保するためであります。しかし、このIT室の民間企業から出向している非常勤職員は、在籍企業からの給与の補填を禁じられておりません。」
法案資料の多数の誤りと報告の遅れを追及し、民間企業に籍を置く非常勤職員が政策立案に関わる利益相反を問題にした。
COMPARISON AXES
3つの比較軸
- 01
期待する便益
災害・相続手続、給付と負担の公平、在宅就労など、デジタル化で解決したい不便が異なります。
- 02
守るべき権利
取り残されないこと、個人情報を集中管理・監視へ使わないこと、セキュリティーを求める発言があります。
- 03
組織の統制
個人情報保護委員会の監督強化と、民間企業に在籍する非常勤職員の利益相反という二つの統制が問われています。
COMMON GROUND
共通している点
行政サービスを実際に便利にし、誰も取り残さず、安全と信頼を確保する必要性は共有されています。